Zone d'identification
Cote
Titre
Date(s)
- 1950-1974 (Accumulation)
Niveau de description
Fonds
Étendue matérielle et support
保存箱( cm× cm× cm) 3箱分
内容:フィルム2巻、新聞・雑誌・冊子・文書等 1,395点(1,170件)
Zone du contexte
Nom du producteur
Notice biographique
故・辻保治氏(1935~98年)(以下,辻氏)は,1953年に近江絹糸に入社後,同社彦根工場において深夜業に従事し,「人権争議」(1954年)で中心的な役割を果たした。争議終結後は,労組彦根支部教宣部で「らくがき運動」を職場新聞に発展させると同時に職場闘争委員会を組織し,各職場に労働運動を根付かせる独自の運動スタイルを実現させた。一方で,サークル活動家としても活躍し,詩サークル『噴煙』を結成するなど,近江絹糸労働者の創作活動に大きな影響を与えた。辻氏は自ら彦根の地域文芸サークル誌『熔岩』にも参加した。1957~58年に近江絹糸労組の分裂騒動が起こった際には,反主流派である大垣方針派の立場をとった。
1962年,辻氏は近江絹糸を退職したが,その後も労働詩,労働運動にかかわり,晩年は地名研究に情熱を注いだ。
なお,辻氏の著作としては,「近江絹糸ストライキに参加して―〈メモ〉工員ツジの場合」(『大阪労働運動史研究』(15),pp.10-18)(2)がある。同号には入江スナエ氏の口述記録と質疑応答(辻氏も参加)を収めた「近江絹糸の思い出」(『大阪労働運動史研究』(15),pp.20-32)も掲載されている。また,辻氏の妻である朝子氏がまとめた辻氏の遺稿集『地を這う』(1998)には,病床での詩や佐渡在住の民俗学・地名研究者である本間雅彦氏(3)に宛てた手紙,箕面市史学会会報に載せた地名に関する論考が収められている。
Dépôt
Histoire archivistique
故・辻保治氏(1935~98年)(以下,辻氏)は,辻氏の居住地域であった北摂の労組員たちの集まり・学習会に講師として招請されていた。辻氏の死後,会のメンバーのひとりあった全国金属労働組合大阪地方本部の知人が遺族にアドバイスし,社運協に資料が寄贈されることとなった。
Source immédiate d'acquisition ou de transfert
辻保治氏の妻、辻朝子氏より1998年寄贈。
Zone du contenu et de la structure
Portée et contenu
辻コレクション所収資料の大部分は、辻氏が近江絹糸に在籍していた1953年から9年間の近江絹糸労働組合運動や文化・表現運動活動、サークル活動に伴って、作成・収受されたものである。ただし、「人権争議」(1954年)の時期の資料は少なく、争議終結後の1950年代の資料が大部分を占める。また、一部、辻氏が大阪で詩人として活動した時期に作成・収受した資料が含まれている。
資料は寄贈当時、分類・整理されておらず、原秩序は存在していない状態であった。
資料の特徴として、機関紙、同人誌等逐次刊行物、文集等小冊子資料にが多いことがあげられる。特に下記のシリーズ編成のうち、(2)近江絹糸紡績労働組合(4)近江絹糸内サークル に含まれる資料の発行主体は労組本部、支部、職場など多様なレベルに属し、内容も職場新聞、サークル誌、文芸誌など多岐にわたる。(9)彦根地域文芸サークルには、文芸サークル誌である『熔岩』及び『熔岩』グループによる文集30点が含まれている。
組合資料としては、主に組合本部及び彦根支部発行のものを中心とする。本部の資料としては、1955年から1961年にわたる組合日報である『本部情報』(377点)が大量に存在するとともに、新賃金体系確立闘争関係資料が含まれている。彦根支部の資料には、辻氏を中心に取り組まれた「らくがき運動」の関係資料及びその発展形態である職場新聞16タイトルが含まれている。
近江絹糸紡績では、1957年、銀行との対立により資金繰りが悪化し、操業停止に追い込まれた会社の危機に際し、夏川ら経営陣の退陣を要求した組合執行部と夏川不信任闘争を打ち切り、銀行団の賃金封鎖の責任を追求し、「生産金融」を求める大垣支部を中心とした「再建派」が対立した。本部・各支部の資料には、「再建派」が発行した組合日報、ビラ類が含まれている。
なお、一部の手稿以外は各組織が組織員または外部に対して発行した印刷媒体が主で、意思決定をあらわす文書等組織の運営そのものを表す文書は含まれていない。
Évaluation, élimination et calendrier de conservation
収集後、本コレクションで廃棄したものは、「近江絹糸紡績社報」(6点4件)、『あけぼの(寮機関誌)』(6点5件)、『参院選挙の討議参考資料』(2点1件)、『道』(2点1件)の合計16点110件で、いずれも複本が存在する。廃棄 予定のものは、縮刷版所収済の「きんろう」及び複本の存在する職場新聞である。
Accroissements
Mode de classement
受入当時、資料は段ボール5箱分が未分類の状態であったので、エル・ライブラリーで仮整理する段階で、A=近江絹糸株式会社発行物、B=近江絹糸労働組合発行物、C=近江絹糸関係以外の主体による発行物、D=辻保治個人作成物の4つに分類し、それぞれのグループに通し番号を付け、資料のID番号とした。
その後、内容を精査し、主に資料作成者に着目し、下記のシリーズに分類した。
1 近江絹糸紡績株式会社
2 近江絹糸紡績労働組合
3 旧近江絹糸紡績労働組合
4 近江絹糸紡績内サークル
5 近江絹糸紡績寮自治会
6 近江絹糸紡績旧寮自治会
7 全繊同盟関係
8 彦根地域文芸サークル
9 その他彦根関係
10 近江関係辻氏著作物
11 彦根地域以外の労働組合
12 彦根地域以外の運動団体・サークル
13 辻個人メモ・手稿
14 辻以外手稿
15 図書・新聞
Zone des conditions d'accès et d'utilisation
Conditions d’accès
資料群は公開されている。利用には事前の連絡が必要である。
Conditions de reproduction
著作権法の定めによる。
Langue des documents
Écriture des documents
Notes de langue et graphie
Caractéristiques matérielle et contraintes techniques
組合ビラ、職場新聞、同人誌は酸性化が激しく、画像利用のみ可。なお、一部は脱酸素処理済である。
Instruments de recherche
アイテム単位の詳細目録あり。
Zone des sources complémentaires
Existence et lieu de conservation des originaux
Existence et lieu de conservation des copies
一部はPDFファイルで利用可。
Unités de description associées
Note de publication
ISAD(G)によらない文献資料目録が下記に掲載されている。
梅崎修・島西智輝・南雲智映・谷合佳代子・下久保 恵子(2015)「辻保治コレクション一覧―近江 絹糸人権争議資料―」『生涯学習とキャリアデ ザイン』第 12 巻 2 号 , pp.131-142.
梅崎修・島西智輝・南雲智映・谷合佳代子・下久保 恵子(2017)「辻保治コレクション一覧(2)―近江絹糸人権争議資料―」『生涯学習とキャリアデ ザイン』第 15 巻 1号 , pp.43-52.
資料紹介・評価については下記に掲載されている。
島西智輝・梅崎修・下久保恵子・谷合佳代子・南雲 智映(2014)「大阪社会運動協会所蔵の近江絹糸人権争議資料―辻コレクションについて―」 『大原社会問題研究所雑誌』第 668 号 , pp.63- 74.
Zone des notes
Identifiant(s) alternatif(s)
Mots-clés
Mots-clés - Lieux
Mots-clés - Noms
- 近江絹糸紡績労働組合 (Sujet)
- 近江絹糸紡績労働組合(旧) (Sujet)
- 近江絹糸紡績内サークル (Sujet)
- 近江絹糸紡績株式会社 (Sujet)
Mots-clés - Genre
Zone du contrôle de la description
Identifiant de la description
Identifiant du service d'archives
Règles et/ou conventions utilisées
Statut
Révisé
Niveau de détail
Dates de production, de révision, de suppression
2019-08-05
Langue(s)
Écriture(s)
Sources
中村幸男文書、労働史オーラルヒストリープロジェクトウェブページ参照(中村幸男、朝倉克己、小林忠男、辻保治コレクション座談会)
Note de l'archiviste
本目録の記述はエルライブラリーボランティア下久保恵子が行った。なお、資料整理は同館ボランティア森井雅人、構造分析はエルライブラリー館長谷合佳代子と共同して実施した。